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三大栄養素「油(脂質)」とは? ~油のマメ知識③

油とビタミンの意外な関係性

意外と知られていませんが、植物油にはビタミンを供給したり、吸収率をアップさせる働きがあります。主にビタミンのセミナーで述べましたが、ビタミンといってもビタミンA、B1、B2、C、D、E、Kなど様々なビタミンがあります。

それぞれ体内で必要な働きがあり、私たちは野菜などの食品から摂取していますが、ビタミンには水に溶けるもの(水溶性)と油に溶けるもの(脂溶性)のものがあります。例えばビタミンと植物油の関係する例として以下のようなものがあります。

ビタミンAの吸収率がアップ

緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロチン(ビタミンA)は、脂溶性ビタミンで、油と一緒に食べることで吸収率が大幅にアップします。

ビタミンCを壊さない

植物油は、パセリ、ピーマン、ほうれん草など、ビタミンCを多く含む野菜の調理にはもってこいです。短時間で加熱調理できるので、ビタミンCの破壊が少なくてすみます。また、植物油が表面をおおって、熱や空気からもビタミンCを守ります。

ビタミンB1を節約します

でんぷん質の食べものの消化には、大量のビタミンB1が必要です。不足すると脚気や食欲不振、疲労しやすいなどの症状が現れます。植物油には、このビタミンB1の消費を節約する働きがありますから、油料理は、ビタミンB1の確保にも効果的な調理です。

老化を抑えるビタミンEがたっぷり

植物油は、ビタミンEの重要な供給源。私たち日本人は、ビタミンEを約25%も植物油からとっているといわれています。このビタミンEは、血液の流れをよくしたり、不妊症を予防するほか、老化の元凶といわれる活性酸素の働きを抑え、「過酸化脂質」の生成を抑える働きがあります。

「過酸化脂質」は、脳や心臓、肝臓、皮膚などの細胞に付着して老化現象をひきおこす物質ですが、ビタミンEは、この物質が体内で作られるのを抑え、老化防止に一役買っています。

発ガン防止効果もあるビタミンE

ビタミンEは、ガンの予防にも効果があるといわれています。国立がんセンターが発表した「がんを防ぐための12ヶ条」にも、ビタミンEには発ガンを防ぐ働きがあることが明記されており、適量の摂取をすすめています。こうしてみるとビタミンEをたっぷり含んだ植物油は、まさに健康維持に欠かせない食品といえるでしょう。

油は生命維持に必要不可欠。
理想的なバランスで摂取を。

1995年、厚生労働省が策定する「日本人の栄養所要量(第5次改定)」に初めてオメガ3(α-リノレン酸)脂肪酸の摂取が推奨されたように、近年になってようやく健康に「油」はとても重要な関係があるとの認識が広がりつつあります。

現在の「日本人の食事摂取基準(2010年版)では、オメガ3(α-リノレン酸)脂肪酸を一日あたり1.8~2.4g以上(成人)摂取するように目標値が新たに設定されました。市場には本当にたくさんの種類の油が出回っています。この機会に私たち消費者ひとりひとりが、「良い油とは?」を考え、正しく理解し、本当に良いものを「見極める」という意識をもちましょう。

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