アミノ酸はタンパク質のアルファベット
私達の基本的な身体のはたらきは、10 万種類ものたんぱく質の働きで営まれています。たんぱく質は 20 種類のアミノ酸がつながって構成されています。例えるなら、たんぱく質を単語、アミ ノ酸はアルファベットと考えれば理解しやすいかもしれません。
アルファベットの並び順によって文章に意味があるのと同様に、たんぱく質を構成するアミノ酸の配列順序によって、たんぱく質は様々な機能を果たします。この大切なアミノ酸の配列順序を決めているのが遺伝子です。
遺伝子は、たんぱく質のアミノ酸の順序を決める機能に加えて、 特定のたんぱく質を、いつ、どのような場所で、どのくらい作 り出すか?を決める機能がついています。この部分は「遺伝子 の調節部分」というように表現されますが、この調節部分がなければ、身体の機能は正常に発揮されません。
言葉を話すときや文章を作るときに、単語や文章をでたらめに並べても意味がないのと同じで、体中のすべての細胞が 10 万種類のたんぱく質をでたらめに作り出していては、「生きている」という状況は作り出せません。全ては遺伝子により正しく生成され、機能を果たすのです。
あるたんぱく質が適切なときに作られることこそ が、生命の本質ともいうべきことです。そして重要なことは、この遺伝子の調節部分の働きを担っているのも、基本的にはたんぱく質なのです。言い換えれば「たんぱく質がたんぱく質の作られ方を調節し ている」ことになります。これも、人がどうやって言葉を憶えるかということになぞらえると理解しや すいかもしれません。
生まれたばかりの子どもは言葉を話せません。やがて言葉を覚え、使える単語が増え、複雑な会話や文章を話せるようになるには、前に覚えた言葉なり文章を使って次々に新しい言葉を理解し覚えるからで す。
生物には 30 億年という長い長い進化の歴史があります。この歴史は、数少ない種類のたんぱく質しか持っていなかった原始的な生命体が、それらを基に 次々と新しいたんぱく質のレパートリーを増やしてきた歴史と理解することもできます。
つまりたんぱく質とは「単語」という素材自身、それらの素材を使いどんな文章を構成するか?という点で必須の働きをもっているということであり、私達の生命の維持には不可欠なのものと言えます。
人間に必要なアミノ酸の種類
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
---|---|
イソロイシン* | アルギニン |
ロイシン* | グリシン |
パリン* | アラニン |
リジン | セリン |
メチオニン | チロシン |
フェニルアラニン | システイン |
トレオニン | アスパラギン |
トリプトファン | グルタミン |
ヒスチジン | プロリン |
アスパラギン酸 | |
グルタミン酸 |
* は分岐鎖アミノ酸(BCAA)
※「アミノ酸と生命のかかわり」あしたのもと味の素より 引用
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